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みなさまから頂いたシリアルナンバーに関したことや、年代特定の鍵となる情報を掲載しています。
ご意見、情報など有りましたらご遠慮なくご連絡下さい





モデル名が2つあるS.YAIRIの情報を頂きました。このギターは、サイドバックがローズ単板、バックは2ピースで、エンドブロックに307の印字が有ります。しかし、ヘッドにはアジャストカバーが有りボディ内部に輸出モデルのラベルが有り、850のモデル名が印字して有ります。エンドブロックの型番とシリアルのスタンプは、トップとバックを取り付ける前に捺されますので、当初は国内向け307として製造されたが、途中から輸出用に変更されたと想像されます。(2005/2/15) 

                                                                
 
━ 型番が2つあるS.YAIRI ━
全景です 判り難いですが、308同様のアバロン
インレイ
センターストリップもアバロン
輸出モデルのラベル。右上に850、サイン下に1975
のスタンプ
エンドブロックの型番とシリアル アジャストカバーの有るヘッド
━ SADAロゴのS.Yairi ━ 
                                          
輸出モデルと同じロッドカバー付いています            ダイアモンドボリュートは有りません 全体のスタイルは302と似ていますが、指板にバインディングが有りません。           ボディバインディングは、「ドロセル」です。
サイド・バックはローズです。 梁が特徴なネックブロック、梁のすぐ下に422084、その下に30とスタンプがあります。 ブリィッジの形状は、通常の同じです。

このギターは、ロゴやネックブロックの特徴から分業前のモデルもしくは、輸出モデルの前期タイプと思われます。輸出モデルはロッドカバーが特徴で、川辺の工場ではなく同じ岐阜県の上之保村の協力工場で80%ほど作り、最終塗装と仕上げを川辺で行っていました。
在職時に生産していた輸出モデルは、ロゴが「S.Yairi」でしたので、それ以前ではないかと推察します。

   ━ 初期モデルのシリアル ━                     
判り難いですが、「NO432」
その下に「K M」の刻印があります
ギターの全景

川辺に工場が移ってから72年位までは、職人さんが一人で塗装・仕上げ以外の全ての行程を受け持つ請負制で、生産されていました。この頃の特徴はナンバーが印字ではなく刻印である事と、シリアルの下に職人さんのイニシャルがある事です。
分業制生産モデルにあるアルファベットは、職人さんのイニシャルではなさそうです。

━ S.Yairiのネック調整 ━   
━ トップブレイシングの年月印字 ━ 
直接シリアルナンバーとは関係有りませんが
ヤイリのアジャスタブルロッドについてお話します。
 ヤイリのネックには、アジャスタブルロッドは使われていないと思われている(もしくは、そう教えられた)方が多いようですが、写真の様に1フレット下に調整用ナットが来る様にセットされています。その為、小売店ではアジャスト調整が出来ないので、ネックは「永久保障」となっていました。
 しかし、79年後半から、アジャストロッドはサウンドホール側に調整ナットが来る様にセットされています。
77年製造のギターの一部にはネック側からサウンドホールを覗き込み、向って右側のXブレイシングに「77 03」など製造年と月がスタンプされています。
 今の所、「77 02」から「77 07」までが確認されています。

━ まだよく分からない事 ━

69-160、Y69-109、69-624D、ED 140、5215 DSなどの変則シリアルに関してはよく分かりません。
シリアルナンバーのデータを頂いた方よりこの件について、ご意見を頂きました。

今回気づいたんですが、シリアルナンバーの67−118の67の部分、これはYD-306のナンバーに”−”があるものだけついてに言えば、最初の1桁目が197X年のX、2桁目が製作月の7月ってことはないでしょうか?
あまりにも単純な考えですが、私が待たされて購入したのが9月で、製造月が7月なら、とりあえずつじつまが合うと思います。
もっとも、後ろの118が7月の生産通番なのかわは疑問ですが、その年(1976年)の生産通番かも知れませんね。

(掲載承認済み)

アルファベット付きに関しては、以前先輩の方にお聞きした事がありその先輩は「たぶん」と前置きされた上で製造時の季節を表していると言っていました。
 ギターメーカーは、不良品や修理品などの原因を探りその対策をとる事が重要となります。
アルファベットは、その対策の1つで、ギターの製造時期を簡単に特定する為に付けられた様です。
例えば、湿度の高い6、7月の製造はS、乾燥した1、2月は、D等とすることによって、どの様な不良がどの時期の製品にどれ位出たかが判り、材料や工場内の温度、湿度管理等の改善が行われたと思います。
ただし、70年代初めの「S」が数字の上に印字されているものは、これとは無関係のようです。

-分業制以前の川辺工場モデル-

シリアルデータ集にあるNO.141 KMに近いNO.149の情報をいただきました。 ボディスタイルやボディ材、バインディング等はNO.141と同じですが、ヘッド形状とロゴが違い
ます。
シリアルナンバーは、NO.149 KMで、1970年か71年に購入されたそうです。ヘッドの形状は直線ではなくウェーブ状で、ロゴはYAIRIです。この様な仕様違いはこの頃、川辺に工場が移り本格的にアコースティッ
クギターの生産を行う時期で試行錯誤していたか、納品先により仕様が異なっていたのかもしれません。
   
 NO.141  NO.149
シリアルナンバーが#5603のへリングボーン仕様の型番の無いモデルの情報を頂きました。
400シリーズが発売されたのは78年ですので、このモデルは76年に谷口楽器が販売したオリジナルモデルと思われます。

型番とシリアルナンバーの無いOOOモデル

型番とシリアルナンバーの無いOOOモデルの情報をいただきました。
トップはスプルース単板、サイド・バックはマホガニーです。トラスロッドはサウンドホールに有りませんので、79年以前の製造と考えられます。ブレイシングなど各パーツを見ると70年代初めの仕様に近いように見えます。全体の雰囲気もその頃の感じがします。
モデル集にあるシリアル141 MKと比べてみると。

         
         
 上:型番なし 下:141MK  上:型番なし 下:141MK  上:型番なし 下:141MK  上:型番なし 下:141MK  上:型番なし 下:141MK

ピックガードとバックブレイシングの形状、バックセンターストリップの有無、ライニングの張り方などに違いがみられます。
141 MKは分業制になる前のモデルですので、この型番なしのモデルは200シリーズ発売前のプロトタイプではないかと推察します。

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